きのこを美味しく保存する方法

きのこ類は痛みやすいので、新鮮なうちに冷凍して保存するのがおすすめです。 切って冷凍するだけで、うまみも増して、おいしくなります。 きのこは水で洗うと風味が落ちるので、汚れは紙タオルなどで拭き取ります。 食べる部分に泥や土などがついている場合は、軽く洗い落とします。 その場合、他の野菜を洗うように、たくさんの水で洗うのではなく、汚れている部分をサッと洗い流し、キッチンペーパーなどで水分を拭き取ります。 きのこは冷凍することで細胞膜が壊れて旨味も香りも溶け出しやすくなります。 干しシイタケや干しシメジなど、干して使うのも同じ理由ですが、干すよりも冷凍する方が手間がかかりません。 食べやすい大きさにカットしてから、冷凍用保存袋に空気を抜いて冷凍保存します。 保存できる期間は、冷凍庫で1ヶ月くらいです。 調理するときは、凍ったまま加熱します。 解凍するとその間に旨味成分が水に溶け出してしまうので、調理する際には凍ったまま料理に使います。 きのこ類の一般的な成分は野菜類に似ていますが、食物繊維、ビタミンB類、ビタミンD2、ミネラルなどの栄養素を豊富に含んだ低カロリーの食品です。 日本食品成分表によると、乾シイタケの食物繊維の含有率は40%強で、乾燥重量当たりに換算しても、大根やネギよりもはるかに多いことがわかります。 このため、きのこ類には成人病の予防効果もあると考えられます。 また、キノコにはカリウムが多いため、塩分の過剰摂取を抑制することが期待で…

続きを読む

食品中の抗生物質

抗生物質は、人工の物質ではなく、カビなどの微生物が生産する物質で、自然界では一般的に存在するものですが、細菌の活動を抑える作用があるため、薬として利用されています。 抗生物質が残留する可能性がある食品は、主に乳、食肉、養殖魚、鶏卵などです。 これは、動物の病気の治療や成長促進のために投与された抗生物質が残留することがあるためです。 抗生物質が蔓延すると、「人間の体内に棲息している必要な微生物を一掃してしまう可能性がある」、「抗生物質が効かない耐性菌が発生する」などの問題があるため、規制されています。 これらは、食品衛生法 厚生省告示第370号に規定されています。 <抗生物質の例> オキシテトラサイクリン  細菌感染症の治療に使用されています。 クロルテトラサイクリン  感染症の予防のため使用されています。家畜の飼料に混入されていることもあります。 テトラサイクリン  微生物のタンパク質合成を阻害し、広範囲な抗菌効果があります。 図解入門 よくわかる抗菌薬の基本と仕組み[第2版]出版社/メーカー: 秀和システム発売日: 2020/09/09メディア: 単行本

続きを読む

食中毒に関係する主な細菌

食中毒などに関係する代表的な細菌をまとめてみました。 黄色ブドウ球菌 健康な人の皮膚などにも存在しています。食品中で増殖してそこで黄色ブドウ球菌エンテロトキシン毒素を産生します。 黄色ブドウ球菌 エンテロトキシン 黄色ブドウ球菌が産生する毒素です。耐熱性があるため、食品を加熱しても毒素が残る場合があります。激しい嘔吐を伴う食中毒を引き起こします。 クロストリジウム属菌 クロストリジウム属の菌は、嫌気性菌で、無酸素の状態でのみ増殖ができます。ウェルシュ菌、ボツリヌス菌、破傷風菌などが含まれています。 赤痢菌 経口感染する急性腸炎です。人から人へ感染をするので、直接手指が触れるような食品から感染する場合があります。 腸炎ビブリオ 海水や海中の泥に潜み、夏になると集中的に発生する食中毒の原因菌です。感染すると激しい腹痛と下痢がおこります。 ウェルシュ菌 肉類や魚介類を使ったたんぱく食品が原因となります。スープ、カレー、肉汁などには注意が必要です。腹痛や下痢、吐き気などがおこります。 緑膿菌 自然環境中に存在しています。免疫力の低下した人には感染し、緑膿菌感染症を引き起こします。 リステリア菌 さまざまな食品があらゆる環境から汚染される可能性があります。発熱、頭痛、悪寒、嘔吐などがおこります。 腸管出血性大腸菌 O157 O157には「ベロ毒素」という強力な毒素をつくり出す性質があります。このベロ毒素は、体内に侵入すると大腸をただ…

続きを読む

食品で問題になる細菌

食品は、細菌の増殖などにより、人体に悪影響が無くても、問題となる場合があります。 食中毒以外に、問題になることの多い細菌などまとめてみました。 大腸菌 人や動物の腸内に存在し、通常病原性はありませんが、いくつかの大腸菌は人に対して病原性があります。 カビ・酵母類 通常の細菌類が増殖困難な条件でも、カビや酵母には増殖可能な場合があります。 増殖すると目視できることが多いため、クレームの原因となります。 酵母菌 酸性で塩分または糖分の高い食品(果実、ジャム、漬物、菓子、ドレッシング等)では腐敗の原因となります。 低温細菌 冷蔵庫の中などでも増殖し、食品を腐敗させます。 食品中のダニ ダニの付着した食品によって、皮膚などの病害やアレルギー性の疾患になることがあります。 乳酸菌 酸敗、変色、糸引き、膨張等の原因となる場合があります。 マンガで学ぶ食中毒対策 STOP! 食中毒菌 ドクメン8作者: 藤野 リョウ出版社/メーカー: KADOKAWA発売日: 2023/03/24メディア: 単行本

続きを読む

野菜や果物の残留農薬

農薬が人の健康を損なうおそれのない量(厚生労働大臣が定める)を超えて残留する食品は、販売のために製造、輸入、加工、使用、調理、保存、販売してはならない(食品衛生法 第11条第3項)ことになっています。 残留農薬の検査(分析)は、原材料の品質管理情報から判断して、残留の可能性のある物質について行います。 しかし、輸入された野菜や果物などは、生産段階の情報が無かったり、日本では農薬として使っていない成分を農薬として使っている場合もあり、完全に特定することは困難です。 そこで、残留農薬には、ポジティブリスト制が導入されています。 ポジティブリスト制とは、基準が設定されていない農薬等が一定量以上含まれる食品の流通や販売を禁止できる制度です。 許容される残留農薬基準(ポジティブリスト)は、「食品、添加物等の規格基準(昭和34年 厚生省告示第370号)」で確認できます。なお、残留基準のない農薬は、一律0.01ppmが基準値とされています(厚生労働省告示第497号)。 ただし、農薬として使用され、食品に残留した場合であっても、摂取したことにより人体に影響を及ぼすおそれのないものについては対象外(亜鉛、クエン酸など65種)として設定されています。 生産段階の情報が無い場合は、まとめて分析(一斉分析)をすることになります。 一斉分析は、多くの残留農薬をまとめて検査することができますが、残留性の高い農薬の中には、一斉分析では検出できない農薬もあります。 残留農薬は…

続きを読む