米百俵の精神

幕末維新の頃、長岡藩(新潟県長岡市)は戊辰戦争で敗れ、壊滅的な状況となっていました。 このとき、長岡藩の分家、三根山藩(新潟県西蒲区)から百俵の米が贈られることとなり、藩士たちは、これで生活が少しでも楽になると喜びました。 しかし、長岡藩の文武総督 小林虎三郎は、贈られた米を藩士に分け与えず、売却し、学校設立の費用とすることを決定。 当然、藩士たちは猛抗議。すると小林虎三郎は、 「百俵の米も、食えばたちまちなくなるが、教育にあてれば明日の一万、百万俵となる」 と諭し、この政策を実行することになります。 結局、百俵の米を売却し、書籍や器具を購入し、明治3年(1870年)に「国漢学校」を開校しました。 この国漢学校は、士族だけでなく、一定の学力に達した庶民の入学も許可され、ここから山本五十六元帥など、多くの優れた人物が輩出されました。 「米百俵」の話しは、目先の辛抱が将来の利益になるということを象徴する実話。 小泉元首相が、平成13年(2001年)の所信演説で「米百俵」を引用し、この話しが有名になりました。 選挙が近づくと、いつもこの話しを思い出します。 小林虎三郎のような、先のことも見据えた候補者に出てきて欲しい思うのと同時に、そんな人物を選べる有権者にもなりたいとも思います。 小林虎三郎「米百俵」の思想 (学研M文庫 R ま 2-2)作者: 松本 健一出版社/メーカー: 学研プラス発売日: 2001/10/01メディア: 文庫

続きを読む

ダッカで起きたレストラン襲撃事件、亡くなった日本人7人

バングラデシュで起きたレストラン襲撃事件で、亡くなった日本人7人の名前が発表されました。 いずれも国際協力機構(JICA)のプロジェクトに関わっていたということです。 田中宏さん(80) 橋本秀樹さん(65) 小笠原公洋さん(56) 黒崎信博さん(48) 酒井夕子さん(42) 岡村誠さん(32) 下平瑠衣さん(27) この事件は、バングラデシュの首都ダッカで1日午後9時(日本時間2日午前0時)ごろ、レストランに武装した10人ほどの男達が侵入し、日本人を含む客など30人ほどを人質に立てこもったというもの。 このレストランは、ダッカの高級住宅街、グルシャン地区にあるレストラン「ホーリー・アルティザン・ベーカリー」。 その後、治安部隊はレストランを包囲し、人質解放を求めて武装グループと交渉を試みたがうまくいかず、事件発生から10時間を超えた2日朝、隊員ら100人以上が店内に突入した。 人質の一部は救出されています。 死亡した人質20人について、全員が外国人で、大半が日本人とイタリア人であると発表されていました。 バングラデシュは、人口約1億6千万人で、そのうち9割がイスラム教徒。 1971年にパキスタンから独立しました。 民主化の方向に進んでいますが、反対勢力もあり、対立が続いています。 国土は狭いですが、人口が多く、これから経済発展していくと期待されている国のひとつです。 昨年9月に、今回の事件があったグルシャン地区で、イタリ…

続きを読む

ソニーがコジタイ社とロボット事業に再参入!

ソニーの平井社長は、6月29日の経営方針説明会で、人工知能(AI)を活用してロボット事業に再参入することを発表しました。 今年の5月に、アメリカのAI専門企業コジタイ社(カリフォルニア州)に出資し、共同開発を進めていました。 もともと製品の投入は、「早くて来年」という話しだったので、「本気でやりますよ」という意思表示だったのかもしれませんが。 ソニーが出資したコジタイ(Cogitai)社は、トップクラスの研究者3名によって、2015年9月に設立されました。 この3名は、強化学習の先駆者であるマーク・リング氏、人工知能や複数エージェントシステム、ロボット研究のピーター・ストーン氏(テキサス大学オースティン校教授)、深層強化学習の先導者であるサティンダー・シン・バベイジャ氏(ミシガン大学教授)。 コジタイ社は、ディープ・リインフォースメント・ラーニング(深層強化学習)技術に予測・検知技術を応用して、実世界とインタラクションをしながら継続的に学習をしていく人工知能の開発を目指しています。 この人工知能は、日々の様々な場面において、センサーから得られたデータと、それに基づき起こしたアクションによる経験から学習し、継続的に知識と能力を向上させ、賢くなっていくもの。 一方、ソニーの強みは、ハードウェアを持っていること。すでに多くの製品が出回っているので、コジタイ社が目指している「好奇心を持った人間のように自ら学び続ける」AIとマッチしやすいのではないかと思います。 …

続きを読む

佐賀県の情報流出事件、対策が不十分だった?

佐賀県立高校の校内ネットワークや佐賀県教育庁のシステム「SEI―Net」が不正にアクセスされ、成績などの個人情報が大量に流出した事件。 佐賀県立高校が運用するシステムは、1月に侵入され、対策をとったはず(?)なのに、5月に再度進入されていたようです。 佐賀県は、パスワードを変更するなどの防止策をとったとしていますが、情報流出対策が不十分だったことも認めています。 この事件は、佐賀市の無職少年(17)が、テレビの有料衛星放送をパソコンで無料で見られる不正プログラムを自作し、インターネットで公開したとして、不正競争防止法違反(技術的制限手段回避装置の提供)容疑で逮捕したのですが、少年の自宅サーバーを調べたら、学校から盗んだとみられる21万件のファイルが見つかったというもの。 佐賀県立高校には、校内の無線LANを使って、不正アクセス。 全県立高校の情報が保管されているデータベースサーバー「SEI―Net」には、自作の攻撃プログラムで不正アクセス。 成績データや住所録など数万人分の個人情報の流出が確認できたようです。 佐賀県は、ICT(情報通信技術)化が最も進んでいる都道府県の一つ。 全国の公立小中高校の普通教室に設置されている電子黒板の整備率(2015年3月時点)は、佐賀県は76.5%で全国1位(全国平均は9%)。 パソコンの整備状況も、生徒2.6人に1台と全国1位。 ICT化が進んでいるため、データを一元管理するため、「SEI-Net(セイネット)」が導…

続きを読む

調布の墜落事故機はパイパー・マリブ・ミラージュ

7月26日に東京・調布市で軽飛行機が民家を直撃した事故。 軽飛行機に乗っていた2人と、巻き添えの女性住民を含む3人が死亡する惨事となりました。 墜落したのは、パイパー社の「マリブ・ミラージュ PA-46-350P(JA4060)」という小型機。 パイパー社は、セスナ社やビーチクラフト社と並ぶ、三大軽飛行機メーカーのひとつです。 パイパー・マリブ・ミラージュは、パイロット1名、乗客最大5名の軽飛行機。 マリブ シリーズは、ミラージュの他にもいくつかあり、わりとポピュラーな機体です。 一般的に、軽飛行機には「ボイスレコーダー」や「フライトレコーダー」は付いていないので、事故の調査には時間がかかると思われます。 それにしても、飛行場の周辺は、調布飛行場に限らず、民家が多いですね。 もともと住宅が密集している場所に飛行場を造るわけはないので、飛行場をつくってから、住宅が増えたという場所が多いのではないかと思います。 飛行場で働く人なんかも多いですからね。 本来は、飛行場側が、不時着できる空き地を用意しておくべきなのかもしれませんが、こういう事故があると、飛行場周辺に住宅を建てないようにする規制も必要かもしれません。

続きを読む